仕事を辞める前に考えておきたい7つのこと

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働いていると、一度は「仕事を辞めたい!」と思ったことがある方も少なくないでしょう。しかし、よほど次の展望が見えていない限り、不安感に襲われる時こともあるでしょう。

退職金のことや、次の仕事を見つけるまでの収入、次の仕事をどうするか、などが不安材料になります。そこで、仕事を辞めるか迷っているあなたに、退職前に考えておきたいことをお伝えします。

何に不満を抱いているのか

仕事を辞める時に、自分が次のステップで「こんなはずではなかった」という思いをなるべくしないようにしたいですよね。

そのためには、まず、今の仕事のどんなところに不満を抱いているのか、できるだけ多く、具体的に言えるようにしましょう。

そうすると、自分が仕事をする上での「適性」や「ポリシー」が、あらためて自覚できるようになります。

たとえば、事細かく進捗状況を報告しないと機嫌を損ねる上司に、肝心な相談や報告をしても機嫌を損ねられたら、嫌われているとしか感じられません。

その上司が人事権を握っていたらと考えると、生きた心地がしないですよね。「ダメな奴」というレッテルが貼られる可能性が高いわけですから。

このケースで悩んでいたら、「責任逃れをする人とは仕事を進められない」という、自分の仕事のポリシーがあることに気づくことでしょう。

一旦心にしまったはずの、ネガティブな感情と向き合うことは、確かになかなか精神力を使う作業です。しかし、ここをしっかりしておけば、次のステップには、同じような場面を回避する勘が働くようになります。

また、どんな仕事も、決して自分一人だけでは回りません。仕事は、他者との関わりの連続ですので、ポリシーのさじ加減も大切です。

もし退職を選んだ場合、それを機に、自分の仕事のポリシーについて、より落ち着いて考えられるようになれば、「自分はどこまでならポリシーを妥協できるのか」ということも見えてくるようになります。不満を不満のままにしておいたら、もったいないですね。

相談できる相手を探そう

不満の洗い出しから、自分の適性やポリシーを認識したら、次は他者からのレビューをもらうために、相談相手を探しましょう。会社内に相談相手がいれば、仕事モードの自分を基準に、会社外に相談相手がいれば、仕事モードではない自分を基準に、それぞれ客観的な意見を得ることができます。

したがって、可能であれば、会社の内外それぞれに、相談相手を見つけるとよいでしょう。しかし、なかなか会社内で相談相手が見つかるかといえば、難しいのも事実です。

配属が変わっても気にかけてくれるような、よほど面倒見のよい上司がいるとよいのですが、そればかりは、人事運によるところも否めません。そこで、まずは自分の人間関係を、一度見直してみましょう。

家族、昔からの友達、なじみのお店の人など、仕事モードではない、素の自分を知っている人をあげてみましょう。思いつかない場合は、自分の趣味仲間や、人と交流できる場を探すのも手です。

一度、自分の悩んでいる場面から離れて、利害関係のない人と一緒に行動することで、お互いのことを理解しあえるようになります。それから、打ち明けられそうな人に、自分の悩みを相談するといいでしょう。

ただし、こうした相談は、自分の心が揺らいでいる状態であることが多いため、少しでも自分が楽になれそうな選択肢に飛びついたり、影響力の強い発言に飲み込まれたりすることもあります。

相手も人間ですから、弱みに付け込んでとんでもない話を持ち掛けたり、得意な顔をすることであなたの自尊心を奪ったりする人も、いないとは言い切れません。

相談するときは、相手の意見を「参考にする」程度の感覚を持ちましょう。どんなことを言われようと、最後に行動を決めるのは、自分自身です。

次の仕事を探す前に

自分の適性やポリシーについて、自分と他者からのレビューを得たのはいいのですが、退職という決断までは、まだまだ考えなければならないことがたくさんあります。ここでは、自分を基準として考えなければならないことを、2つお伝えします。

自分の適性やポリシーと、今の仕事が、どの程度かけ離れているか考えること

どんなに嫌な仕事であっても、在籍期間が長くなるほど、「この部分は叶っていた」という部分や、「この部分は考えが変わって、良くなったかな」という部分などが出てくるはずです。

もし退職という決断をするとしても、こうした「良かったこと」は、自分の適性やポリシーに対する自信につながりますので、心の中で捨てずにとっておきましょう。

自分が今仕事を辞めたとして、次にしたいことがある程度決まっているのか

すぐ転職したいのであれば、自分の適性やポリシーに合う企業を探すという選択肢もあります。心身の調子を崩しているのであれば、ひとまず仕事を休むという選択肢もあります。一度まっさらな気持ちになりたいのであれば、一人旅に出るという選択肢もあります。

しかし、やけになって、後先考えない行動をしようと思ったら要注意です。気持ちが昂って落ち着かない状態で下した判断からは、ろくな結果が生まれません。これまでの苦労が水の泡になる可能性も高くなります。

どんなささいなことでもいいので、「その次につながる行動をするために」という視点は、忘れないようにしましょう。

次の仕事は自営?それとも雇用される?

雇用情勢

地方になればなるほど、また、年齢が高くなればなるほど、再就職が厳しいという特徴があります。

しかし、今の時代は、中間層(30歳前後)の離職が多く、シニアが新人に仕事を教えるという企業も増えています。そういった面では、中間層にあたる年代を募集する企業が多いと感じられるかもしれません。

しかし、多くの会社で、中間層がいないということは、その年代が上の世代に突き付けている「NO」を、正しく理解できていない世の中である、ということでもあります。

つまり、転職のオファーが来たからといって、やみくもに飛びつくことになってしまったら、前の職場と同じような思いをする可能性があるのです。

こうした雇用情勢の問題点に気付き、組織改革を行うために、中間層の力が必要だという会社であれば、検討に値するものもあるでしょう。また、創業からあまり経過していない会社や、イノベーションを大切にする会社なども、心機一転活躍するチャンスにつながるでしょう。

自営業という選択

他方、自分の采配で仕事を動かしたいと思う人や、再就職が難しい人が選ぶ選択肢に、自営業があります。

昔と比べると、仕事のスタイルが多様化しているため、「とりあえずその日をしのぐ」という収入のスタイルも、積み重ねると生活の足しにはなります。しかし、自営業者は、会社員と違って、確定申告も経理も、自分でしなければなりません。

ただ、「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出すると、確定申告時に「青色申告特別控除」を受けることができます。

これにより、所得税・復興特別所得税の計算基礎から65万円を控除されることとなり、納税額が抑えられるというメリットを受けることができます。

「開業届」とはいっても、必ずしも店舗を構えて事業を営む必要はありません。商号と納税地がわかっていれば、店舗を持たない自営業者として登録されます。くわしいことは、お近くの税務署に確認しましょう。

大きな投資をして、自分の本業として、長期スパンを考えて事業を営むのであれば、かなり考えなければならないことが増えてきます。

場所と内容、投資回収計画と達成までの道筋、日々の資金繰り、お客様との関係など、並べていくとキリがないので、具体的に知りたい場合は、各地の商工会議所などに相談するとよいでしょう。

自営の場合、いいことも悪い事もすべて自分次第となってきます。また、自分自身が商品となる場面が多々あります。このことは忘れないようにしましょう。

仕事の辞め方

では、いよいよ、仕事を辞める方向で決心をつけた場合のお話に移ります。

仕事を辞める理由をどうするか

理由づけのプロセスをご紹介します。参考にしていただけると幸いです。

まず、決心をつける前に、自分と他者のレビューを得た、自分の適性やポリシーに、今の仕事がどれだけ合っているかを考えます。

次に、今の仕事を続けるにあたり、自分の適性やポリシーをどこまで妥協できるかを考えます。

最後に、自分の適性やポリシーと合っていないと判断した場合は、「自分が会社に残り続けることが、自分にとっても会社にとってもデメリットである」ということを、会社に対して説明できるようにする必要があります。

たとえば、「仕事をしているうちに、心身に異常をきたしたこと」を退職理由にする場合を考えてみます。この場合の理由づけの例を挙げるとしたら、このようになります。

「今の職務は、自分の適性を大きく上回っていると感じています。追いつくための努力として、従来の業務の進め方を見直しつつ、新しい業務も積極的に遂行しようとしてきました。その中で、私一人の力ではどうしようもできないこともあり、同僚・先輩・上司に相談しましたが、私の能力では追いつかないことがわかりました。結果として、このように、心身に異常をきたしてしまいました。これ以上在籍し続けることで、私が貢献できることはもう残っておらず、かえって皆様に迷惑をかけることにつながります。その前に、退職させていただきいと考えております。」

この場合では、診断書を発行されたことや、著しいミスをしてしまったことなどが、事実としてあれば、さらに理由が通るようになります。

どのような場合でも、「パフォーマンスやモチベーションが低下している自分が、これ以上残り続けることは、会社にとってマイナスである」ということで結論づけ、さらにそれを固める事実があれば、そのことにも触れることで、筋の通った退職理由となります。

せっかく段階を踏んで、辞めるという決心を伝えても、慰留されることもあります。会社だって、これまで賃金や研修のための時間などといった経営資源を割いてきたわけですし、次世代のリーダー格を担いうる中間層が不足している経営環境ですから、簡単に退職されても困ることがあります。

しかし、慰留された分待遇が良くなるのであれば話は別かもしれませんが、たくさん下準備して、勇気をもって退職の申出をしているわけですから、退職するのであれば、きっぱりと断ることも大切です。

それであなたが悪く思われても、そうなる前にきちんと向き合うことをしなかった会社にも、問題があるという事です。

辞めるタイミング

まずは、辞めたいと思った時点から、会社の就業規則や、雇用に関する規程類を見ることができるのであれば、それを確認しておきましょう。特に気になる条項がなければ、辞める時期について考えます。

心身の不調が著しく、一刻も早く辞めたい場合は、すみやかに退職の意思を伝えるべきです。しかし、そうでない場合は、自分の仕事がひと段落つく前に、人事を担当する上司に伝えましょう。

ひと段落ついてしまうころには、あなたに別の仕事を担当させる予定が動き出してしまうからです。

一番辞めやすいのは、事業年度末です。会社にもよりますが、人事発令の2カ月前ごろであれば、次の年度の人事決定に与える影響がより少なくなる目安となります。

自己都合退職と会社都合退職

晴れて会社を退職すると、従業員に雇用保険をかけている会社であれば、雇用保険被保険者離職証明書が交付されます。この証明書の右半分には、離職理由が並んでいて、自分が離職した理由のところに、チェックがつけられています。

会社の人員整理や、期限の定めのある雇用契約における期間満了などで退職した場合は、会社都合退職となりますが、自分が辞めたいという意思を伝えて退職する場合は、自己都合退職となります。

自己都合退職では、失業認定日から雇用保険の受給開始日までに、3ヶ月待機しなければなりません。ただし、病気などを原因とする自己都合退職については、「特定理由離職者」となり、雇用保険の受給待機がなくなったり、社会保険から国民健康保険に切り替える際に料率が安くなったりすることがあります。

ただ、たとえば病気が理由での退職であれば、退職前から病気にかかって、まだ療養中であるが、週に一定の時間以上働くことが可能であると医師が診断した場合に認定されるなどの条件があります。

くわしくは、最寄りのハローワークや、お住まいの自治体に確認してみてください。

次の仕事でなるべく納得して働くために

ここまでの流れで、自分の適性やポリシーについて、しっかり考えることができたので、次はどういう仕事をしたらよいかが見えてくることでしょう。

退職してから自営するにしても、また雇用されるにしても、もう同じような体験はしたくないはずです。そのためにも、自分がどういったことならできるのかを正しく知り、自信を持つことが大切です。

そのうえで、たとえ自営をするにしても、仕事は人と人とのコミュニケーションで成り立ちますので、自分の自信は大切にしつつも、人に対して誇示し過ぎたり、押し付けたりすることのない距離感を覚えることも大切になります。

まとめ

なかなか考えが煮詰まって難しくなることもあるかもしれませんが、いったん自分の得意不得意を冷静に分析し、人の意見をもらい、客観的に見つめなおす作業は、退職の場面だけではなく、ありとあらゆる場面で有効な作業になってきます。

また、退職までに考えなければならないことが、これだけでもかなりあることがご理解いただけたことと思います。

早く辞めたいと思う気持ちは理解できますが、こうしたポイントも参考にしつつ、よりよい未来を切り開いていけることを、願っています。

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