うつ病経験者が解説!うつ病は甘えではない理由と回復5ステップ

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うつ病は、現在の日本における統計基準では15人に1人が一生のうちに体験すると言われている病気です。日本よりもうつ病の認知度が高い欧米の水準では、実に4人に1人の割合で発症しています。

うつ病について認知は高まったものの、未だ理解が進んでいない日本社会。「うつ病=甘え」と解釈されることも珍しくありません。

今回は、周りの評価にとらわれず、自分のペースでうつ病からの回復を目指す方法をご紹介します。

うつ病とはどのような病気か

うつ病とは、過度な精神的・身体的ストレスなど様々な要因によって「脳の機能障害」が起きている状態のことです。

中でも有力な要因とされているのは、強いストレスやショックを受けた結果、脳内で神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンの枯渇が起き、それがうつ病の発症につながるという説。

様々な判断基準がありますが、主に次のような症状が2週間以上続いている場合、うつ病の可能性があると言われています。

  • 抑うつ気分が続く
  • 早朝覚醒、不眠が続く、またはひどい眠気に一日中襲われる
  • 頭がぼうっとして物事を考えられない
  • 日常動作、話すスピードが遅くなる
  • 罪悪感に苛まれる
  • 身の回りのことに興味を失う
  • 焦燥感、恐怖感に駆られる
  • 食欲の低下
  • 自殺を考える

通常であれば落ち込むことがあっても、しばらく時間が経つと気持ちが回復し、再び活力が湧いてくるもの。しかしうつ病にかかるとこれが不可能になります。

人に話を聞いてもらったり、気分転換を図ったりしていくら頑張っても、戻ってこない気力。そして次第になかなか回復しない自分を責め始め、悪循環のスパイラルへと陥ってしまいます。悪化すると自殺を考えるようになり、最悪の結果を招いてしまうことも。

身体的な面の影響も大きく関わっています。うつ病の主な症状の一つである不眠は、脳内のセロトニンを減少させ、結果うつ病の更なる悪化を招きます。これが「うつ病で最も辛く感じるのは朝の時間帯」 と言われる一つの原因と言えます。

脳科学の知見ではうつ病は進行性の病であり、放置しておくと脳の神経細胞にまで影響を及ぼし、その場合完治が非常に難しくなるとも言われています。早期発見と正しい治療が不可欠の侮れない病気です。

なぜうつ病は「甘え」と捉えられるのか

残念なことにうつ病は、現在の日本社会ではまだ真剣に受け入れられない傾向にあります。時には「甘え」と捉えられることもあり、うつ病に悩まされている人にとっては本当に辛いことです。

うつを「甘え」と取る人が判断基準にしているのは、うつ病の行動のみ。朝起きられない、仕事や学校に行けない、一日中布団から出られない、家事ができない、お風呂に入れない……などの状態を見て、単に怠けたいだけだと理解してしまうのです。

しかし、単に怠けている状態とうつ病とでは明確な違いがあります。それは罪悪感と無力感。

怠けたいだけの場合は、朝起きられず仕事や学校を休むことになっても罪悪感を持ちません。自分の好きなことをする気力と体力はあるので、代わりに自分の趣味や旅行などを楽しめます。

一方、うつ病にかかった人は、

  • 朝起きられない
  • 布団から出られない
  • 家事や自分の身の回りのこともできなくなる

本当に気力も体力も底を尽きている状態になります。そして、社会生活を送れず周りに迷惑をかけているという罪悪感と、自分に対する無力感に絶え間なく襲われています。

回復のための5つのステップ

うつ病からの回復における大切なポイントをまとめます。

自分を責めない

うつ状態の自分を極力責めないようにしましょう。うつ病は自分のせいではなく「脳の機能障害」が起こっている状態だと自覚し、本来の自分とうつ病の自分をはっきり区別すること。この区別を早期のうちにできれば、回復への大きなステップとなります。

早めの受診を

自分で医師やカウンセラーなどの専門家にかかろうと思ったら早めに受診を。専門家との相性が合わないと感じる場合は、無理した継続は禁物。自分と合う専門家が見つかるまで諦めず探し続けましょう。うつ病の症状が進むと家から出られなくなり、動くことすらできない状態になる可能性があります。動く気力と体力があるうちに、自分のために動くことが大切です。

ためらわず早期のうちに休む

自分で今は休息を取る必要があると思い、専門家からもそう助言された場合は、ためらわず休みましょう。最初に無理をすると更に心や体に負担がかかり、後でぶり返す反動が大きくなります。必要性を感じたら早期のうちに休むことが重要です。

生活で手を抜けるところは抜く

家事や身の回りのことで手を抜けるところは思い切って手を抜きましょう。食事が作れないならお惣菜を買ってくる、お風呂に入れないのであれば髪にはドライシャンプーを使い、身体は熱いタオルで拭くなど、自分が今できる範囲での工夫を。

栄養バランスの良い食事の摂取

うつ病に深い関係があると言われるセロトニンは、トリプトファンという物質 [人間の体内で生産不可能な必須アミノ酸(タンパク質)の一つ] から作られ、コレステロールの働きで脳に運ばれます。そのトリプトファンは肉類や魚介類に多く含まれています。

うつ病が悪化すると食欲不振になり、食事の内容を考えるのも大変ですが、できる範囲で良いのでタンパク質、コレステロールを多く含んだ栄養バランスの良い食事の摂取を心がけましょう。

まとめ

うつ病は「脳の機能障害」を起こしている状態であり、「甘え」では決してないことが分かっていただけたでしょうか。自分の感覚と医師や専門家の診断を主な基準にし、周りや社会の意見に振り回されないよう注意が必要です。

もともと正義感や責任感が強い人がかかりやすいと言われているうつ病。まずは本来の自分と、うつ病にかかっている自分を心の中できっぱり分けること。そしてきっと良くなると信じ、自分のペースで回復の道を歩んでいきましょう。

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