罪悪感を手放すべき理由と罪悪感を手放すための3つの方法

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自分がしてしまったことに罪悪感を持ち始めると、それは徐々に膨らみ、やがて耐えきれなくなって爆発してしまう可能性があります。

そうなる前に罪悪感を手放すことが大切です。罪悪感が人生に与える影響と罪悪感を手放す方法について解説します。

罪悪感とは?

「罪悪感」とは、言い換えると「罪の意識」のことです。私たち個々人が持っている独自のルールに反してしまったと感じた時、罪悪感が生まれます。

そして「自分は罪を犯したのだから、罰せられなければならない」「犯した罪は償わなければいけない」と信じ込んでしまうのです。

自分が罪悪感を感じるのが法律に触れる事柄であれば、既に罪の基準が示されています。しかし自分の個人的な問題の場合、その罪の度合いを決定する基準はどこにもありません。

その証拠に、他人に思いの丈を打ち明け、その人に「それくらい大丈夫だよ」「そんなの悪いことをしたうちに入らないよ」と幾ら言ってもらえたとしても、自分が本当に心の底からそう思わない限り、罪悪感は離れて行ってくれません。

罪悪感が人生に与える影響

では一度心に芽生えた罪悪感は、どのように私たちの人生に影響を及ぼすのでしょうか?私たちは罪悪感を感じると、様々な事柄において私たち自身に制限をかけ始めます。

始めは少ない制限でも、罪悪感から来る自己嫌悪のあまり、だんだん過度な制限と課題、負担を自分にかけるようになります。

多くの場合、それは自分を必要以上に攻撃する自虐的・自己破壊的な生き方に発展してしまいます。この行動を心理学では「補償行為」と呼びます。

私たちが先ず自身に課す補償行為が、「幸せを受け取らない」「幸せを自分に許可しない」こと。日々の中で嬉しい、幸せだと感じることや場面に遭遇しても「こんな罪深い私は喜んではいけない」と自分の感情を抑圧します。

つまり罪悪感を持つあまり、プラスの感情を持つ自分を許せなくなるのです。

感情を殺し心の表情がなくなると、実際に笑顔など顔の表情も消えていきます。楽しみや嬉しさの感情が鈍るので、表情がなくなった自分を写真や鏡で見ても「こんな自分だからこれくらいが相応しい」と自身に言い聞かせ、やがて本当にそう思うようになります。

自分を良く見せることにも罪悪感が生まれてきます。そのためファッションや髪型、メイクにも興味が持てなくなり、それによって楽しみが減り周りの環境が変化しても、「罪な自分には合っているんだ」と思い込もうとします。

本来何の問題もないファッションやメイクで自分を着飾ること自体に、強い罪悪感を感じるようになるのです。

罪悪感が大きくなるにつれ、自分を罰しなければならないという気持ちは加速の一途を辿ります。それに従い、補償行為は自分の行動にも影響を及ぼすようになります。

例えば友人との楽しい集まりに参加しなくなったり、家に引き籠りがちになるなど、周りとの交流を避け自分の殻に閉じこもろうとします。

罪悪感に苛まれる人の心理

気をつけたいポイントは、周りが嫌だから、気に入らないから交流を避けているのではないという点です。こんな自分と関わると周りの皆が悪い影響を受けるに違いないと思い込み、それだけはせめて避けようと必死になります。

このように罪悪感が非常に強い場合、人は自分自身をまるで不幸を撒き散らし伝染させる、悪魔か疫病神のように感じてしまうことがあります。他人がそれはあり得ないとたたみ掛けても、聞く耳を持てません。

それが悪化すると食事を取ることにすら罪悪感が生まれ、摂食障害に発展したり、また自分の邪悪さが許せないという思いから、オーバードーズ(精神安定剤などの薬物を規定量を超えて過剰摂取すること)などの自傷行為に走ることもあります。

罪悪感を手放す重要性

罪悪感を手放すのは、早いに越したことはありません。罪悪感を手放すのがなぜそんなに重要なのでしょうか?

それは罪悪感の強さに症状の進行と同じような段階があり、時間とともにその段階が上がっていき、最終的に危険な状態を招く恐れがあるためです。

罪悪感には段階がある

罪悪感は一度心に抱き始めると、逃れるのが困難な厄介なもの。時間が経つにつれ1日のうちで罪悪感を感じる頻度が多くなり、菌が繁殖するように自分をじわじわと苦しめていきます。

うつ病などの心の病気にも、罪悪感の段階が上に行けばいくほど、かかる可能性が高くなります。悪化すると、食べられない・眠れないという症状が強くなり、身体の方にも影響が出てきます。心身ダブルで疲労が溜まり、だんだんと一人では抱えきれない状態に陥ります。

これが「罪悪感が人生に与える影響」で述べた「罪悪感自己嫌悪自虐的・自己破壊的行動」のプロセスですが、これにも限界があることを覚えておきましょう。

罪悪感の刃は、抱えきれなくなると一転して外に向く可能性も

自虐的・自己破壊的行動もある一定の水準(個人によって異なりますが、とことん自分を追い詰めてボロボロになり、もう自分を痛めつける方法が見つからなくなった時)を過ぎると人が取る行動は2つに分かれると考えられます。

  1. もう自殺するしか自分をそして周りの人間を救う方法は無いと信じ込み、自殺を図ってしまうケース
  2. それまで自分に向いていた攻撃の刃が一転して周りの人間に向くケース

自分の中の負のエネルギーが、自分を痛めつけるだけでは抑えきれなくなり、コップから水が溢れるように崩壊してしまうのです。この段階に達すると、自分の行動や感情を自制するのはほぼ不可能と言えます。

罪悪感を手放す3つのステップ

罪悪感が私たちの人生に与える負の影響、罪悪感を手放すことが重要な理由はよく分かりました。それでは罪悪感を手放すため、具体的に何をすれば良いのでしょうか。

ここでは罪悪感を手放す方法を3つのステップに分けてご紹介します。罪悪感の強さの度合いにより、最初のステップで十分かもしれませんし、最後のステップ3まで進む必要がある場合もあるでしょう。

1.まずは身体の休息を自分に許す

罪悪感を手放す上で大切なキーワードは、「自分を許す」ことです。しかし、罪悪感が心にあるうちは、自分の心を楽にしてあげるのはなかなか難しいでしょう。

「自分は幸せになってはいけない」という硬い思い込みがありますから、いきなり「自分を許してあげましょう」と言われても不可能だと感じてしまいます。

そこで試したいのが、身体の休息を自分に許してあげることです。

心と体は繋がっていると良く言われますが、ここでは逆に一旦心と身体を切り離して考え、「とにかく身体が疲れているんだ」「だから身体の休息が必要だ」と理解しましょう。

マッサージや鍼灸を受けに行ったり、家で長めの入浴をしたり、または自分の好きなものを食べるなど、自分の身体がリラックスできると感じることを試します。

ここで再び「心と身体は繋がっている」という説に戻りますが、体がほぐれて来ると心も自然にふっと力が抜ける可能性があります。

その瞬間を感じられると、自分の心の声をキャッチしやすくなります。まだまだ更に対処が必要と感じるのであれば、次のステップ2に進みましょう。

2. 心の声を聞き、自分が楽に息ができる環境を選ぶ

ステップ1で身体がほぐれて自分の心も少し柔らかくなってきたと感じたら、自分が何を感じているのか、心の声に耳を澄ませてみてください。

  • どこか行きたい場所はないでしょうか?
  • 何か見ておきたいものはありますか?
  • 会いたいと思う人がいますか?

一つでもあるならば、それを実行しましょう。今の自分が少しでも楽に息ができる環境を探すのです。

罪悪感に苛まれている時、「補償行為」の一つとして、自分にとって苦しい環境なのにも関わらず、敢えてそこを抜け出さないという状態が見られます。

自分にとって合わない環境にいたり、合わない人間と一緒にいるのは苦しいはずなのに、罪悪感のせいで「こんな自分には合っている」「自分はもっと苦しむべきだ」と思い込んでしまっているからです。

なかなか抜けられない袋小路の状態を知らず知らずのうちに作り出しているのです。

罪の意識で今にも駄目になりそうなのに、自分にとって良い環境を探しに行くなんて、逃げているようでとても出来ないと思われるかもしれません。しかし、それは違うということを覚えておいてください。

自分にとって生きやすい環境を探し求めることは、逃げとは全く異なるもので、他の誰にも批判する権利はありません。

「その時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、誰がシロクマを責めますか。」

(梨木香歩著『西の魔女が死んだ』より)

3.自分に合う専門家を探し、治療を受ける

ステップ2まで試してみて、自力では除ききれない根強い罪悪感があると気づいたら、専門家の力を借りることも考えましょう。

自分だけで解決しようとせず、カウンセリングや心療内科、精神科などをあたり、自分に合う先生を見つけ治療を受けます。

自分に合う専門家の先生なら、あなたの話を聞いても決して勝手な判断はせず、しかし必要な時は道を示してくれる、心強い味方になるはずです。

専門家ではなく友人や家族に相談する、話を聞いてもらうという方法もありますが、「彼らの大切な時間を奪ってしまった」「また長い繰り返しの話を聞いてもらって、迷惑をかけた」など、新たな罪悪感が積み重なる可能性もあるため注意が必要です。

専門家はあなたの心の悩みを解決するのが仕事であり、彼らが情熱を持っていることです。「自分に合う専門家かどうか」に十分注意して「この人に任せよう」と思えたら、遠慮せず信頼して身を委ねてみましょう。

先にお話ししたように、罪悪感の段階が上がっていくと鬱症状が強くなり、専門家を探すエネルギーもなくなってしまう可能性があります。

罪悪感が自分の感情の多くを占めていると気づいたら、ご紹介したステップの順番にこだわらず、早めに専門家の助けを求めましょう。

まとめ

罪悪感を手放せるまでの道のりを想像すると、終わりのない旅のように感じるかもしれません。

しかし、そこで思い出したいのは、その旅を続けさせるのも終わらせるのも自分自身だということ。結局のところ、向き合うのは自分自身なのです。

私たちは自分の行動や言ってしまったことに罪悪感を感じ、他人がどう思うか、他人の目に自分はどれくらい罪な人間に映るのかを恐れます。

罪悪感が自分の中で抱えきれなくなると、自分を保つために他人に話さないではいられなくなります。

話すことで他人の反応を確かめ、本当は「こんな自分でも生きていていい」という承認と安心が欲しいのです。

しかし、最終的に罪悪感を手放せるか否かは、「自分が自分を許せるかどうか」、この一点にかかっています。

罪悪感で苛まれ、もう生きているのすら辛いと思う時もあると思います。どうか「また笑顔で過ごせる時が来る」という希望を捨てないでください。

最後に、筆者が信頼している精神科医の先生からいただいた、大切な言葉を贈ります。

 ”Life is long. There are many alternative ways to go. You don’t need to rush at all. Take your time.”

  「人生は長いよ。道は一つだけじゃなくて、幾つもある。急ぐ必要はないから、あなたのペースで進んで。」

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